「伺う」という言葉は、ビジネスシーンで頻繁に使われる敬語のひとつです。
しかし、「伺う」は尊敬語ではなく謙譲語であり、使う場面や相手によって正しい使い分けが必要です。
たとえば「御社へ伺います」と「お話を伺います」では意味や敬意の方向が異なり、誤って使うと不自然な印象を与えることもあります。
本記事では、「伺う」の正しい使い分けを行く・聞く・尋ねる別に解説し、二重敬語の回避法や会話・電話・メールでの実用例もご紹介します。
「伺う」の基本を押さえる|意味と使い方
「伺う」は「聞く」の謙譲語
「伺う」は「聞く」の謙譲語で、自分の行動をへりくだって表すことで相手への敬意を示す言葉です。
なお、相手の動作を表す場合は尊敬語「お聞きになる」、講演や重要な説明を聞く場合は「拝聴する」を使うのが適切です。

敬語の三分類と例
- 尊敬語:相手の動作を高める表現(例:お聞きになる/お越しになる/いらっしゃる)
- 謙譲語:自分の動作を低める表現(例:伺う/拝聴する/参る)
- 丁寧語:文末を丁寧に整える表現(例:聞きます/行きます/いたします)
「伺う」が謙譲語だということを理解していると、使い方で迷うことがぐっと減ります。
基本的な使い方
- (行く)明日、14時に御社へ伺います
- (聞く)詳細を伺ってもよろしいでしょうか
- (尋ねる)道順を伺いたいのですが、最寄り出口はAでしょうか
場面別「伺う」の正しい使い分け
「行く」という意味では来訪・訪問の場面で活躍
面談や打ち合わせで、こちらが相手のもとへ向かう時に使います。日程調整のメールでも頻繁に登場する表現です。
・訪問を伝える時
「明日、会議のため御社へ伺います。資料を添付いたしましたので、ご査収ください。」
・日程調整
「来週水曜の午前に伺えますが、ご都合はいかがでしょうか。差し支えなければ、ご確認のほどお願いいたします。」
・到着連絡
「10分ほどで伺います。到着次第、受付でご連絡いたします。」
注意したいのは、相手が来る場合です。この時は「いらっしゃる」「お越しになる」といった尊敬語を使います。
自分が行く時は「伺う」、相手が来る時は尊敬語と覚えておくと間違いありません。
「聞く」という意味で使う──質問や確認の申し出に便利
「伺う」は、相手に情報を教えてもらう場面でも使います。
特に、業務の背景や詳細を尋ねたいとき、あるいは依頼事項を確認したいときに適しています。
講演や重要な説明を聞く場合は「拝聴する」を使うこともありますが、日常的なやり取りでは「伺う」が自然です。

・質問する時
「恐れ入りますが、本件の背景を伺ってもよろしいでしょうか。」
・依頼する時
「お手数ですが、発注条件の変更点を伺えますでしょうか。」
・確認する時
「先方のご意向を伺い、改めてご連絡いたします。差し支えなければ、詳細をお聞かせいただけますと幸いです。」
・情報提供依頼
「恐縮ですが、システム導入の手順についてご教示いただけますでしょうか。専門知識を伺えると助かります。」
「お聞きする」という表現もありますが、「伺う」の方がよりへりくだった響きがあります。特に上司や取引先など、目上の方への配慮が伝わりやすい表現です。
専門的な知識や技術的な内容について教えを求める際は「ご教示」という表現も効果的です。
「手順についてご教示ください」のように、より具体的で丁寧な依頼として使えます。
「尋ねる」という意味で使う「伺う」──場所や方法を聞くときに便利
道順や受付場所、担当部署などの案内を求めるときに使います。電話での問い合わせや日常のやり取りでもよく使われる表現です。
・道順を確認する時
「会場までの最寄り出口を伺いたいのですが、AとBどちらが近いでしょうか。」
・担当者を探す時
「採用のご担当者様を伺えますでしょうか。」
・手続きを確認する時
「請求書の提出方法について伺ってもよろしいでしょうか。」

よくある誤用と二重敬語の回避
二重敬語に要注意
丁寧にしようとするあまり、敬語を重ねてしまうことがあります。これを二重敬語といい、かえって不自然な印象を与えてしまいます。
代表的な誤用例
- お伺いさせていただく → 「伺う」で十分
- お聞きになられる → 「お聞きになる」が正しい
- 拝見させていただく → 「拝見する」が正しい
- ご訪問させていただく → 「伺う」または「参る」
二重敬語は、相手のことを思うあまりに生まれる間違いです。
敬語は適切に使ってこそ相手への敬意が伝わるもの。シンプルで正しい表現を心がけることが、本当の丁寧さにつながります。
チェックポイント
- 「お(ご)+動詞(名詞)+する」と「させていただく」を同時に使っていないか
- 相手の行動に謙譲語、自分の行動に尊敬語を使っていないか
正しい敬語を使った返答では「承知しました」や「かしこまりました」が適切です。
「承知しました」は理解・了解を示し、「かしこまりました」はより丁寧な承諾の気持ちを表現する際に使います。
電話・対面での実践例
・電話でアポを取る
「来週火曜日の14時頃に伺ってもよろしいでしょうか。」
・対面で質問する
「企画案について2点伺ってもよろしいでしょうか。予算とスケジュールをご教示ください。」
・対面で挨拶する
「お忙しい中ありがとうございます。新商品の件でお話を伺えればと思います。」
・対面で予算を聞く
「念のため、ご予算の上限を伺ってもよろしいでしょうか。ご確認のほどお願いいたします。」
・メールで場所の確認 をする
「件名:当日の受付場所について
当日の受付場所を伺いたく、ご案内をお願いできますでしょうか。」
自然に使い分けられれば、コミュニケーションがもっとスムーズに
「伺う」は謙譲語なので、自分側の「行く・聞く・尋ねる」に使います。
相手側の行動には「お聞きになる」「お越しになる」といった尊敬語を使い分けることで、適切な敬意が伝わります。
大切なのは、二重敬語を避けて、簡潔で自然な表現を心がけること。過度に丁寧にしようとせず、相手の立場や状況に応じて適切な敬語を選ぶことが、信頼関係の構築につながります。
また、この「伺う」と、「ご了承のほどお願い申し上げます」「ご教示」「ご確認のほど」といった表現を組み合わせることで、相手に配慮した丁寧なコミュニケーションができます。
「伺う」一つでも、場面によって使い分けができるようになると、ビジネスコミュニケーションの幅がぐっと広がります。
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