「とんでもございません」は敬語として間違い?正しい言い換え表現ガイド 

「とんでもございません」は敬語として間違い?正しい言い換え表現ガイド  ビジネス敬語

「とんでもございません」は、一見すると丁寧な表現のように見えますが、使い方の可否には一部で議論があるのが現状です。本記事では、誤用とされる原因や、状況に応じた正しい敬語表現へ言い換える方法を詳しく解説します。ぜひ本記事を参考にして、より相手に伝わる丁寧な受け答えを身につけましょう。 

「とんでもございません」は本当に間違いなのか

まずは「とんでもございません」の使われ方が本当に誤用なのか、文法的な視点や実際のビジネスシーンでの印象を見ていきましょう。

「とんでもございません」の意味と使われ方

「とんでもございません」は、「とんでもない」を敬語に近づけた形として、謙遜や否定のニュアンスを丁寧に伝える際によく使用されます。もともと「とんでもない」という形容詞を丁寧に表現しようとした言葉とされ、日常会話やビジネスシーンでも定着しているため、相手に違和感を抱かせることはあまりありません。長年にわたって使われ続けてきた背景や、多くのビジネスパーソンが自然に受け入れている実情を知ると、一概に「間違い」とは断じにくい側面もあります。 

「とんでもございません」が誤用とされる理論的根拠

「とんでもない」は「ない」まで含めて一つの形容詞です。そのため、「とんでもございません」「とんでもありません」との表現は「ない」の部分だけを切り取って変化させているので、誤用といわれるのです。ただし、言語は常に変化し続けるもので、近年では誤用としながらも定着している表現として理解される向きも増えています。その結果、「敬語として適切ではないのでは」という声が上がるのです。ただし、言語は常に変化し続けるもので、近年では誤用としながらも定着している表現のひとつとして理解される向きも増えています。 

「とんでもございません」が誤用とされる理論的根拠

実際のビジネスシーンでの受け止められ方 

ビジネスシーンでは「とんでもございません」は幅広く浸透しており、目上の相手や取引先に対しても多くの人が違和感なく受け取っています。また、相手を強く否定する印象を和らげる効果もあるため、むしろ柔らかい表現として好まれるケースも見受けられます。こうした現状を踏まえると、「正確でない」という理論的な面だけではなく、相手がどう感じるかという心情的な面も意識して使うことが大切だといえるでしょう。 

状況別・正しい敬語表現への言い換え方

「とんでもございません」以外にも、より正しく伝わる敬語表現があります。シーンごとに使い分けましょう。以下では、具体的にどのような言い換え表現があるのかを紹介します。 

「お褒めの言葉」に対する適切な返答表現 

相手からお褒めの言葉を頂いた場合は「ありがとうございます、恐縮です」といった感謝と謙遜を併せた表現が効果的です。さらに「まだまだ改善の余地がございますので、引き続き精進します」と加えると、謙虚さと努力する姿勢を示せます。「もったいないお言葉です」といったフレーズを添えるのも、深い感謝の気持ちを伝える上で有効です。

「お詑び」を受けた際の丁寧な応答フレーズ

相手が謝罪してきたときに「とんでもございません」と返すのは、相手を許す姿勢として十分伝わる場合が多いです。しかし、より丁寧かつ相手を気遣うならば「お気になさらないでください」「こちらこそ申し訳ございませんでした」などの表現が好まれます。特にビジネス上のやり取りでは、真摯に相手の立場を慮った返事をすることで、より円滑な関係構築につながるでしょう。 

「感謝」に対する謙虚で正しい返し方

相手から感謝の言葉を受けたとき「いえいえ、とんでもないことです」と返すのはカジュアルな印象を与えやすいです。もう少しフォーマルな場面では、「こちらこそありがとうございます」「お役に立てて光栄です」というフレーズを使うと、相手への敬意がしっかり伝わります。ビジネス上であれば、あわせて「今後も精一杯努めます」と前向きな姿勢を示すとより好印象です。

「申し出」を受けた時の適切な断り方

何か支援や提案の申し出を受けた際、やむを得ず断らなければならない場合は「恐れ入りますが」「恐縮ではございますが」といったクッション言葉を使うとソフトな印象を与えられます。「大変ありがたいお話ですが、今は難しい状況です」と続けると、相手の好意を尊重しつつもしっかり断りの意思を示すことができます。丁寧な断り方はその後の関係にも影響するため、言い回しには十分注意しましょう。 

とんでもないです」と「とんでもございません」の違い

似たような表現でありながら、微妙なニュアンスの違いや、使い分けのポイントを押さえる必要があります。ここでは二つの違いや使い分けの注意点についてより詳しく見ていきましょう。 

「とんでもないです」は正しいの?

確認や質問をする際は、相手に敬意を払いながら適切に切り出すことが重要です。「失礼ながら」は質問の前置きとして効果的ですが、場面によって言い換え表現を使い分けると印象が良くなります。

例えば、「申し訳ございませんが、資料の内容について確認させていただけますか」や「恐れ入りますが、ご予定を教えていただけますでしょうか」といった表現は、相手への配慮が伝わります。また、「お手数をおかけしますが」は依頼を丁寧に行う際に、「お伺いしたいのですが」は質問を柔らかく切り出す際に適しています。電話での応対では「ご確認したいことがございまして」という表現も有効です。これらの表現を使う際は、質問内容自体が失礼にならないよう注意し、「簡単なお願いがありますが、少しお時間をいただけますか」のように相手の都合を配慮した言い方を心がけましょう。状況に応じた適切な言い換え表現で、ビジネスコミュニケーションをより円滑に進めることができます。

TPOに応じた使い分けのポイント

意見や提案を述べる際には、「失礼ながら」を効果的に言い換えることで、相手に配慮しながら自分の考えを伝えられます。例えば「恐縮ですが、別の視点からご提案させていただきますと」という表現は、丁寧さを保ちながら新たな提案をする際に適しています。

また、反対意見を述べる場合は「異なる見解かもしれませんが」や「別の角度から考えますと」といった表現で柔らかく切り出すことで、対立感を和らげることができます。特に重要な提案の場合は「僭越ながら一案を申し上げますと」という格式高い表現も効果的です。メールでは「ご検討いただければ幸いです」と締めくくることで、押し付けがましさを軽減できます。

これらの表現を状況に応じて使い分けることで、相手に不快感を与えず、建設的な議論を促進できるでしょう。

TPOに応じた使い分けのポイント

社内と社外での表現の使い分け方

社内ではビジネス敬語の中でも多少くだけた表現が許容される場合があり、「とんでもないことです」や「いえいえ、そういうわけでは」と軽めに返すことが多いでしょう。一方、社外の方や目上の取引先とのやり取りでは、より相手を立てる敬語が必要なため、「とんでもないことでございますと慎重に使うか、敬語として文法的に正しく整った表現に変えることを意識する必要があります。

ビジネスシーンで実践できる会話例

実際の会話例を通して、上司や取引先などさまざまな場面での使い分けを身につけましょう。 

上司からの称賛に対する模範的な返答例

上司から褒められたときには「ありがとうございます。大変光栄ですという感謝に加えて、「まだまだ改善の余地がございますので、引き続き頑張ります」と謙虚さを示すと好印象です。「とんでもございません」と返しても失礼にはなりませんが、その上で具体的にこれからの意欲を伝えると、上司も安心感を抱きやすくなります。 

上司からの称賛に対する模範的な返答例

取引先とのやり取りでの言葉選びのコツ

取引先から「助かりました。ありがとうございますと言われたら、「こちらこそありがとうございます。お力になれて何よりですと返すのがおすすめです。さらに「ご期待に沿えるよう、今後も精一杯務めさせていただきます」と付け足すことで、相手に好印象を与えます。あえて「とんでもない」の表現を使うよりは、感謝やお礼が伝わりやすい表現を使ったほうがビジネス上での評価にも繋がるでしょう。 

電話でのやり取りの会話例

電話対応は声だけで印象が伝わるため、なおさら敬語表現やトーンが重要です。相手から「ご連絡ありがとうございます」と言われた際には、「お忙しいところ、お電話いただきありがとうございます。大変助かりますと返すとスムーズでしょう。相手が褒めたり感謝を示したりしている場合に、「とんでもないです」や「とんでもございません」を使うことは多いですが、あわせて一言感謝の言葉や丁寧な気遣いを添えておくと、より礼儀正しい印象を与えやすくなります。 

状況に応じて言い換え表現を使い分けましょう

本記事では「とんでもございません」という表現の背景や本質、そしてその使い方について解説しました。この表現は誤用ではあるものの、自然な謙遜として受け入れられている現状も事実です。シチュエーションに応じた適切な言い換え表現を身につけることで、より正確かつ円滑なコミュニケーションが実現できます。相手の立場やTPOを意識した言葉選びこそが、信頼感や好印象を築く鍵であるといえるでしょう。 

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