ビジネスシーンで「受け取る」という一言を敬語で表現する際、自信を持って正しい言葉を選べていますか。 「お受け取りになりますか」「頂戴いたします」「拝受いたしました」—これらの表現の微妙な違いや使うべき場面に迷った経験はありませんか。
本記事では、ビジネスのシーンで信頼性を高める「受け取る」の敬語表現を、具体的な例とともにご紹介します。
「受け取る」の基本敬語表現と使い分け
「受け取る」の丁寧語・謙譲語・尊敬語の違い
「受け取る」の敬語表現には丁寧語、謙譲語、尊敬語の三種類があり、それぞれ使い方が異なります。
まず、丁寧語は「お受け取り」や「受け取ります」のように、接頭語「お」を付けたり、語尾を「です・ます」にすることで表現します。上下関係を示さないため、同僚などに使用するのに適しています。
謙譲語は自分が相手から物を受け取る際に使い、「頂く」「頂戴する」などの表現があります。特に「頂戴いたします」は「頂きます」よりも丁寧な印象を与え、目上の人に対して適切です。
尊敬語は相手の行為を尊重する表現で、「お受け取りになる」「受け取られる」などがあります。取引先や上司が何かを受け取る場面で使用します。
また、ビジネスシーンでは「受領する」「拝受する」「賜る」などの表現も状況によって使い分けると、より適切に敬意を表すことができます。
「頂戴する」と「拝受する」の正しい使い方
「頂戴する」と「拝受する」はどちらも「受け取る」の謙譲語ですが、使い方に微妙な違いがあります。「頂戴する」は目上の人や取引先から何かを受け取る際に使用する表現で、「ありがたく頂戴します」のように使います。やや堅苦しい印象がありますが、どの取引先に対しても使える汎用性の高い表現です。
一方、「拝受する」はより格式高い表現で、「つつしんで受け取る」という意味を持ちます。書類や資料を受け取った際に「拝受しました」「拝受いたしました」と使うと、相手への敬意が適切に伝わります。特に「ご査収ください」というメールへの返信として最適です。
親しい取引先との日常的なやり取りでは「いただきました」で十分ですが、重要な文書や正式な場面では「拝受」を選ぶと印象が良くなります。「貴重なご意見を賜り」のような「賜る」という表現も、改まった場面で効果的です。これらの表現を状況に応じて使い分けることで、ビジネスコミュニケーションがより円滑になります。

「受領」「ご査収」などの関連用語の使い分け
ビジネスシーンでは「受領」「ご査収」「お受け取り」など多様な表現があります。「受領」は金品や重要書類を受け取ることを表し、「受け取って確認した」というニュアンスも含まれます。一方「受理」は願書や届書など書類に限定され、処理する意味も含みます。
「受領」はフォーマルな表現ですが敬語ではないため、目上の方には「拝受」という謙譲語を使うとより丁寧です。「ご査収」は内容確認を含む受け取りを意味し、「ご査収ください」のように相手に受け取りを依頼する際に使用します。
「収受」は受け取りと収納を合わせた意味を持ち、「受納」は贈り物を受け取って納める行為を指します。こうした表現は場面に応じて使い分けることで、相手への敬意が適切に伝わります。
ビジネスシーン別「受け取る」の敬語活用例
メールでの「受け取りました」の丁寧な伝え方
メールで自分が資料を受け取る場合は、「受領いたします」や「拝受いたします」といった謙譲語を使用しましょう。特に「拝受する」は「つつしんで受け取る」という意味で、目上の方から書類を受け取る際に最適です。
【例文】
株式会社△△
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社□□の〇〇と申します。
先日ご提出いただいた企画書を、本日確かに拝受いたしました。
内容につきまして、数点ご質問させていただきたく存じますので、後ほど別途ご連絡いたします。
何卒よろしくお願いいたします。
一方、相手に受け取りを依頼する場合は「ご査収ください」を使用します。これは「内容をご確認の上、お受け取りください」という意味を含み、「当社の提案資料をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします」のように使います。
また、電子データを受け取った場合は「受信いたしました」という表現も適切です。
状況に応じた適切な敬語表現を選ぶことで、ビジネスコミュニケーションがよりスムーズになります。
電話での「受け取りました」の丁寧な伝え方
電話で「受け取りました」と伝える際には、シンプルでわかりやすい敬語表現を心がけましょう。基本的には「お送りいただいた資料、確かに受け取りました」という丁寧語から、「資料を拝受いたしました」といった謙譲語まで、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

「契約書をメールにてお送りいたしましたが、ご確認いただけましたでしょうか。」

「はい、先ほどお送りいただいた契約書、確かに拝受いたしました。」
電話では表情が見えないからこそ、明確な言葉で相手に伝えることが大切です。
「受け取る」敬語の間違いやすいポイントと対処法
二重敬語・過剰敬語になりやすい「受け取る」表現の注意点
「受け取る」の敬語表現を使う際に特に注意したいのが、二重敬語や過剰敬語の問題です。例えば「お受け取りさせていただきます」という表現は、「お」という接頭語と「させていただく」という謙譲表現が重なり、過剰な敬語になっています。
二重敬語は相手に不自然な印象を与えるだけでなく、場合によっては失礼にあたることもあります。「拝受させていただく」も「拝受」という謙譲語に「させていただく」という謙譲表現を重ねた二重敬語です。
改善方法としては、「受け取らせていただきます」や単に「お受け取りします」「拝受します」などのシンプルな表現を選ぶことが大切です。
敬語表現の基本を理解し、過剰な敬語を避けることで、より自然で相手に伝わりやすい表現になります。

適切に使い分けて円滑なコミュニケーションへの第一歩を
本記事では、ビジネスシーンで頻繁に使用される「受け取る」の敬語表現について、具体例を交えながら解説しました。ご紹介した内容を活用すれば、取引先や上司、同僚に対して適切な敬語表現が使えるようになり、より円滑なコミュニケーションが実現できるでしょう。
たとえば、書類やご意見などを受け取る際は、相手の行為に敬意を示す「拝受いたしました」という表現や、依頼する場合の「ご査収ください」など、状況に合わせた使い分けがポイントです。
過剰な敬語や二重敬語になることを避けるためにも、まずはシンプルかつ正確な表現を選ぶことが大切です。ぜひこの記事を参考に、日常のビジネスシーンで適切な敬語を使い分ける技術を磨いていきましょう。
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