「火災保険を一度使ったら、次から入りにくくなる?」「保険金を請求したら、保険料が上がってしまう?」火災保険を利用しようと考えたとき、こんな不安を抱える方は少なくありません。特に台風や豪雨による被害が増える近年、火災保険の活用方法への関心が高まっています。火災保険は自動車保険とは異なる仕組みになっており、一度使ったからといって必ずしも契約が終了したり保険料が上がったりするわけではないのです。この記事では、火災保険の契約継続の仕組みや、保険料への影響について、誤解の多いポイントを中心に、わかりやすく解説していきます。
火災保険の基本と一度使った後の契約状況
火災保険は原則として一度使っても契約は継続される
火災保険は、一度使用しても自動的に契約が終了することはありません。
契約期間内であれば、補償限度額に達しない限り、何度でも保険金請求が可能です。例えば、台風で屋根が一部破損し保険金を受け取った後、同じ年に別の災害で窓ガラスが割れた場合も、再度保険金を請求できます。

火災保険の補償対象と使用回数の仕組み
火災保険の最大の特徴は、補償対象が幅広く、原則として使用回数に制限がないことです。
火災はもちろん、台風・強風による風災、大雨による水災、大雪、落雷など、さまざまな自然災害による損害が対象になります。
例えば、家が台風で屋根が壊れ、さらに翌月の台風で窓ガラスが割れたとしても、それぞれの被害に対して保険金を請求可能です。
これは、「保険金額自動復元方式」という仕組みがあるため。たとえば、2,000万円の火災保険に加入している場合、500万円の保険金を受け取っても、そのあとに発生する災害でも補償額は再び2,000万円に戻るので、追加の保険料も不要です。
とは言え注意点もあります。
ただし一般的には「1回の事故で保険金額の80%を超える支払いが発生した場合、その時点で契約は終了する」というルールがあります。次の項目で詳しく説明します。
契約が終了する理由と基準
火災保険の契約が途中で終了するのは、主に以下の2つの場合です。
- 建物が「全損」と判定されたとき
- 1回の事故で保険金額の80%超が支払われたとき
それぞれの内容をわかりやすく解説します。
「全損」と判定された場合
「全損」とは、建物が大きな被害を受けて修復が現実的でないと判断される状態です。具体的には以下のどちらかに当てはまる場合を指します。
- 建物の焼失・流失・損壊部分が延床面積の80%以上に及んだとき
- 損害額が建物の再取得価額(=同じものを新築するのにかかる費用)の80%以上になったとき
例えば、火災で家の大部分が焼け、かろうじて玄関の柱だけ残ったとしても、住める状態でなければ「全損」と判定され、保険金が全額支払われたうえで契約は終了します。
保険金額の80%超が支払われた場合
これはどんな事故でも1回で保険金額の80%以上を支払ったら、その契約は終了するという仕組みです。
例えば、台風で屋根が吹き飛ばされ、さらに壁も崩れ、保険金として契約金額の80%以上が支払われた場合、仮に建物が残っていてもその時点で契約は終了します。
ここまで、一般的な火災保険の仕組みをお伝えしました。保険会社によって規定が違いますので、加入前に必ず保障内容を確認してください。

火災保険を使うと保険料は上がるのか?
保険使用履歴と保険料の関係性
自動車保険では「等級制度」があり、事故を起こして保険を使うと翌年の保険料が上がりますが、火災保険にはこのような仕組みはありません。よって火災保険を一度使ったとしても、保険料に直接影響することはないのです。これは多くの方が誤解している点で、「火災保険を一度使うと保険料が上がる」と心配される方も多いですが、そのような心配は不要です。
一方で、火災保険料は災害リスクに基づいて設定されるため、地域で大規模な自然災害が発生した後には、その地域全体の保険料が見直される可能性があります。これは個人の保険使用履歴とは無関係で、地域の災害リスク評価に基づく変更です。
契約更新時の補償内容と保険料の変化パターン
保険の契約期間中は火災保険の使用の有無に関わらず、保険料が変わることはありません。
しかし1年後や5年後の更新時には、下記のような要因により保険料が変動するケースがあります。特に近年は自然災害の増加や建築資材の高騰により、更新時に保険料が上昇するケースが増えています。
地域全体の災害リスク評価:例えば近年水害が多発した地域では、水災補償の保険料が上昇するケースがあります。地域のリスク評価は定期的に見直されており、自然災害の発生状況に応じて変化します。
建築費・資材費の高騰:物価上昇に伴う建築費や資材の高騰により、建物の再調達価額(新築するために必要な金額)が上昇すると、同じ補償内容でも保険料が上がることがあります。
補償範囲の変更:当然ですが、契約内容の見直しで補償範囲を広げると、結果的に保険料が上昇することがあります。
建物は年月とともに経年変化するため、それに合わせた補償内容の見直しが必要になることがあります。例えば、築年数が進むと配管などの設備が老朽化していうため、水漏れなどの設備故障補償を充実させるオプションの追加を検討する価値があります。 リスクに備えた定期的な見直しが大切です。
火災保険を使う際の具体的な手続きと注意点
被害発生から保険金受取りまでの具体的な流れ
火災保険を利用する際の手続きは、被害発生直後から始まります。まず最初に行うべきは保険会社への連絡です。その際、契約者情報や事故状況などを伝える必要があるため、保険証券と事故状況のメモを手元に準備しておくとスムーズです。
連絡後は、被害状況を証明する資料を集めましょう。被害写真や工事見積書などが主な必要書類となります。これらの書類を保険会社に提出すると、審査が開始されます。場合によっては現場鑑定人による調査が行われることもあります。
審査が完了すると、保険金の給付可否や金額が通知されます。これに承認すれば保険金受け取りの手続きへと進みます。
火災保険を一度使うと手続きが難しそうと感じる方もいらっしゃいますが、実際には保険会社がしっかりとサポートしてくれます。ただし、被害後はできるだけ早く申請し、提出書類に不備がないよう注意することが、スムーズな保険金受け取りのポイントです。
知っておくべき火災保険適用外となるケース
火災保険は様々な災害を補償しますが、適用外となるケースも存在します。最も代表的なのは地震による損害です。地震そのものだけでなく、地震による火災や津波で生じた被害も火災保険では補償されません。これらの災害は「地震保険」でカバーする必要があります。
また、故意または重大な過失による損害も補償対象外です。例えば、火の不始末による火災でも、明らかな過失がある場合は保険金が支払われないことがあります。
| 火災保険適用外となる主なケース | 備考 |
|---|---|
| 地震・津波による損害 | 地震保険での加入が必要 |
| 故意または重大な過失 | 明らかな不注意による被害は対象外 |
| 経年劣化・老朽化 | 突発的な事故ではないため対象外 |
| 虫食い・ねずみ被害 | 一般的に補償対象外 |
| 戦争・テロ行為 | 特約でも補償されないケースが多い |
経年劣化や日常的な使用による損傷も補償されません。雨漏りが長年放置されて生じた壁の損傷などは、突発的な事故ではないため適用外となるケースが多いです。
さらに、虫食いやねずみによる損害、戦争やテロ行為による被害なども一般的に補償対象外です。
修理工事後の証明書類の保管と将来の申請への影響
火災保険を使用した修理工事が完了したら、関連する証明書類をしっかり保管しておくことが重要です。特に工事完了証明書や修理内容の詳細が記された書類、保険金支払いに関する資料などは、耐水・耐火性のあるケースに入れて保管しましょう。また、写真やデータは電子媒体にバックアップしておくと安心です。
これらの書類は、将来同じ箇所や別の箇所で損害が発生した際の保険申請で重要な役割を果たします。特に同じ箇所の再修理を申請する場合、過去の修理履歴が審査の判断材料となります。火災保険を一度使うと、その記録は保険会社側にも残りますが、自分でも証拠を残しておくことで、将来の申請時に「これは新たな被害です」と証明しやすくなります。
修理工事の記録は、住宅の資産価値を示す書類としても役立ちますので、住宅の履歴書として大切に保管することをお勧めします。
火災保険とあわせて検討されることが多いのが「地震保険」です。
万一に備えた家と家財の守り方については、こちらの記事も参考になります⤵

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