テレアポ業務で最も難しいのは、断られた瞬間からの立て直し。そこで効果を発揮するのが「イエスバット法」です。この記事では、イエスバット法の基礎から、応用テクニックまで、すぐに使える形で解説します。
イエスバット法とは?テレアポ成功率を高める会話テクニック
イエスバット法の定義と基本構造「Yes, but…」の真の意味
イエスバット法とは、「Yes(そうですね)」と相手の意見に一度同意してから、「But(しかし)」と自分の意見を伝えるクッション話法です。この手法は、相手の意見を否定せずに受け入れる姿勢を示すことで、反論による心理的抵抗を和らげる効果があります。

「新しいプロジェクトはリスクが大きいので、投資に踏み切るのは難しいと思います。」

「おっしゃる通り、新プロジェクトにはリスクがつきものです。(Yes)
しかし、(But)リスクを小さなテストプロジェクトで確認すれば、将来の大きな成果に繋げられる可能性があるのはないでしょうか?」
テレアポにおいて、顧客の否定的な反応に直接反論すると、拒否感が強まり会話が途切れてしまいます。イエスバット法を使えば、まず相手の立場を尊重することで心を開き、その後で自社の提案を聞いてもらえる可能性が高まります。
この手法を使う際の注意点は、「しかし」などの逆接の言葉を過剰に使うと、形だけの同意と感じられる恐れがあることです。表情や声のトーンにも気を配り、真摯に相手の意見を受け止める姿勢を示すことが重要です。
なぜテレアポで効果的?断られにくい心理的メカニズム
イエスバット法が効果的なのは、人間の心理的防衛機制に働きかけるためです。誰でも自分の意見や判断を否定されると、無意識に防衛反応が生じ、相手の話を聞き入れなくなります。これを「心理的リアクタンス」と呼びます。
しかし、イエスバット法では最初に相手の意見を認めることで、この防衛本能を和らげます。「そうですね」と言われると、相手は自分が尊重されていると感じ、心を開きます。この心理的な安全地帯ができることで、続く「しかし」以降の提案も受け入れやすくなるのです。
特にテレアポでは、顔が見えない分、拒否反応が出やすい状況。だからこそイエスバット法で心理的架け橋を作ることが重要です。実際、営業現場では「NO」から始まる会話の成約率が著しく低いというデータもあります。
まずは「YES」を引き出すことで信頼関係を構築し、その上で提案を行うイエスバット法は、心理学的にも理にかなったアプローチなのです。

クッション話法における位置づけとその重要性
クッション話法にはイエスバット法をはじめ、イエスアンド法、イエスイフ法、イエスハウ法など様々な種類があります。その中でイエスバット法は最も知名度が高いものの、「しかし」「でも」といった否定的な接続詞を使うため、単独で使うと角が立ちやすい特徴があります。
テレアポの現場では、相手の反論に対して「そうですね」と共感した直後に「しかし」と切り返すと、クッションとしての効果が薄れてしまいます。このため実践的なテレアポでは、イエスバット法を他の話法と組み合わせて使うことが多いのです。
例えば「そうですね」と共感した後、イエスアンド法で「それなら~」と提案したり、イエスハウ法で「いくらだったら買いますか?」と質問するアプローチが効果的です。熟練したセールスパーソンほど、相手の反応に合わせて複数のクッション話法を柔軟に組み合わせています。
| 話法 | 基本構造 | 特徴 |
|---|---|---|
| イエスバット法 | 「そうですね。しかし~」 | 反論の基本だが角が立ちやすい |
| イエスアンド法 | 「そうですね。それなら~」 | 共感から提案へ自然に移行 |
| イエスハウ法 | 「そうですね。いくらなら~?」 | 顧客の本音を引き出せる |
イエスバット法の実践テクニック – テレアポの現場ですぐ使える
NGパターンと改善例 – 効果を半減させる失敗事例
イエスバット法を使う際には、いくつかの典型的な失敗パターンに注意が必要です。最も多いのは「しかし」の後に強引な提案をしてしまうケースです。「ご予算の件は理解しています。しかし、今すぐ契約すべきです」といった押し売り感のある表現は信頼を損ねます。
また、レスポンスの遅さも効果を半減させます。相手の意見に共感した後、回答に時間がかかると誠実さが疑われます。「確かにおっしゃる通りです。ですが…」と言いながら曖昧な表現や具体性のない提案をするのも避けるべきです。
さらに、相手の事業やサービスを理解していないまま形式的にイエスバット法を使うと、すぐに見抜かれてしまいます。「Yes」の部分が表面的な同意に感じられると、信頼関係構築の妨げになります。
効果的なイエスバット法は、真摯に相手の立場を理解した上で、具体的かつ明確なメリットを提示することが鍵です。即レスポンス、相手事業への理解、そして誠実な対応を心がけましょう。
| NGパターン | 改善例 |
|---|---|
| 強引な提案 | 選択肢を提示し、決定権を相手に委ねる |
| 遅いレスポンス | 24時間以内の迅速な返信を心がける |
| 曖昧な表現 | 具体的なメリットや数値を示す |
| 表面的な共感 | 相手の懸念を具体的に言語化して理解を示す |
イエスバット法と他のクッション話法の違いと使い分け
イエスアンド法との違いと適切な使用シーン
イエスバット法とイエスアンド法は、どちらもクッション話法として効果的ですが、構造と使用場面に明確な違いがあります。イエスバット法は「はい、でも〜」という構造で、相手の意見を一度受け入れた後に「しかし」と続け、別の視点を提示します。一方、イエスアンド法は「はい、そして〜」と、相手の意見を肯定した上で付加価値を提案します。
両者の最大の違いは否定感情の有無です。イエスバット法は相手の意見に対して一部否定的な立場を示すため、価格交渉や反論が必要な場面で効果的です。対してイエスアンド法は否定的要素がなく、信頼関係構築や顧客が感情的になっている場面で有効です。
イエスバット法はクレーム対応や価格交渉など、一定の抵抗が必要な状況に適していますが、使いすぎると押し売り感が出るため注意が必要です。イエスアンド法は新規顧客開拓や関係性構築の初期段階で特に力を発揮します。テレアポ担当者は状況に応じて両手法を使い分けることが重要です。

なるほど…。でも、効果が出るまでに時間がかかるのでは?

そうですね、そのご懸念もごもっともです。しかし、実際にご導入いただいたお客様の多くは、初めの3ヶ月で効果を実感されています。いくらの投資感覚であれば、ご安心いただけるか、もしよろしければお聞かせ願えますか?

月々の予算としては、1~2万円くらいを想定していますね。

ありがとうございます。そうすると、そのご予算内で最大限の効果を引き出すプランをいくつかご用意できます。実際、どの部分で特に効率化をお求めか、具体的なお話もお伺いできればと思います。

わかりました。では、具体的な話を聞かせてください。

かしこまりました。では、詳細なプランについて改めてご説明の機会を設けさせていただければと存じます。いかがでしょうか?
| 話法 | 構造 | 適した場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 「イエスバット法」 | 「はい、でも~」 | 価格交渉・反論時 | 使いすぎると押し売り感が出る |
| イエスアンド法 | 「はい、そして~」 | 信頼関係構築・感情的な顧客 | 矛盾を指摘される可能性あり |
イエスイフ法・イエスハウ法との組み合わせテクニック
イエスバット法をさらに効果的に活用するには、他のクッション話法との組み合わせが有効です。イエスイフ法は「はい、もし~なら」という構造で、条件を提示しながら交渉を進められます。テレアポでは「その価格は高いですね」という反応に対し「確かに初期費用はかかりますが、もしご予算に合わせたプランをご希望なら、月額制のプランもご用意しています」と提案できます。
一方、イエスハウ法は「はい、どうすれば~できるか」という形で相手の希望を具体的にヒアリングします。「今は検討できない」という反応には「承知しました。では、どのような条件が整えば検討いただけるでしょうか?」と相手のニーズを探ります。
これらを組み合わせることで、単純なイエスバット法よりもスムーズな会話展開が可能です。状況に応じて使い分けることで、テレアポの成功率を高められます。

状況判断力を高める – 瞬時に最適な話法を選ぶコツ
ここまで、イエスバット法やイエスアンド法などといった各種クッション話法について、その特徴や使い分け、さらには具体的な応用テクニックまで幅広くお話してきました。テレアポ現場では、相手の反応やトーンを瞬時に読み取り、最適な話法を選ぶ状況判断力が成功の鍵となります。
そこで日々の通話振り返りやロールプレイング、音声モニタリングによる客観的な分析は、あなたの判断力向上に大いに役立つでしょう。確かな状況把握と柔軟な対応が、イエスバット法をはじめとするクッション話法を効果的に活用し、相手との信頼関係を築くための決定的な要素です。この記事を参考に、今後も状況判断力と話法スキルの向上に努め、成約率や顧客満足度をさらに高めていきましょう。
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